皆さん、こんにちは
フランスの誇る有名な観光スポット、”ヴェルサイユ宮殿”
その豪華絢爛さとフランスの華麗な貴族文化をもたらした場所ですね
また、フランス革命の歴史と数奇な運命をたどったマリー・アントワネットゆかりの場所として知られています
今回は、フランス・ヴェルサイユ宮殿の歴史・見どころ・アクセスといった観光情報を徹底的にご紹介します
Contents
ヴェルサイユ宮殿とは?
パリから22Km離れたところにあり、パリ近郊の代表的な観光地の一つです
もともとは、ルイ13世が狩猟用に建てた邸宅で、森が生い茂り水もない荒れ地でした
その後17世紀、ルイ14世が増築を重ねて作り上げたのがヴェルサイユ宮殿の本体です
ルイ14世 権威の象徴
ルイ14世は”マルリーのポンプ"と呼ばれる巨大なくみ上げ装置を利用し、20Kmも離れたセーヌ川から水のないヴェルサイユの地に水を引き、人工運河を造りました
人工運河を造ることで、自然をも自分に従わせる力を誇示しました
またルイ14世は、フランスの貴族たちをヴェルサイユ宮殿に強制的に移住させることで、貴族たちの反乱を抑え王としての権威を誇示しました
民衆に対しては、ヴェルサイユ宮殿の庭園を解放させ、”王の庭園の鑑賞法”という本を配布しました
ルイ14世は、民衆たちに自然を超越するような庭園を鑑賞させることで、民衆たちの心をつかむことに成功しました
マリー・アントワネット
ルイ16世の妃としてオーストリアから嫁いできたのが、マリー・アントワネットでした
ウィーンの王女として自由奔放に育ったマリー・アントワネットにとって、ヴェルサイユ宮殿での儀式化された堅苦しいしきたりの暮らしに大きなストレスを抱えていたといわれています
そんな窮屈な暮らしを紛らわせるためにマリー・アントワネットは、部屋の内装を絢爛豪華に改装し、気心知れた知人らと音楽会を催し、離宮(プチ・トリアノン)にはイギリス庭園を造るなど、贅を尽くし優雅な生活を送っていました
それ故に、マリー・アントワネットの散財問題として、フランスの民衆たちにも不満を抱かせることとなりました
フランスに嫁いで20年後、民衆たちの力が強まり、王制廃止を唱える主張が強くなります
ついに、民衆たちによるフランス革命が起こり、マリー・アントワネットは失墜し命を落とすことになります
数奇な運命をたどるマリー・アントワネットの生涯を垣間見ることができる場所として、ヴェルサイユ宮殿の人気を支えていると言っても過言ではありません
見どころ
アルム広場~入り口
ヴェルサイユ宮殿前には大きなアルム広場があり、馬に乗ったルイ14世の像が出迎えてくれます
とても大きな広場なので、入り口まで5分ほど歩きます…
正面の内庭に入ると、金色に輝く第二の鉄柵門が現れます
風雨にさらされるはずの鉄柵門がまぶしい輝きを保っていることにまず圧巻です
王室礼拝堂
最初に目にする部屋は、王室礼拝堂です
ルイ14世の指示により、礼拝堂が建てられました
完成したのはルイ14世の末期で、ルイ14世は生きている最後の五年間しか王室礼拝堂を使うことができませんでした
三位一体の神秘 天井画
天井の中央には、旧約聖書の一節”三位一体の神秘”が描かれています
フランスの絶対王政下では、王は神によって選ばれた神の代理人とされていました
王の正殿
次にみられるのが、絢爛豪華な装飾が施された7つの部屋からなる”王の正殿”です
名の通り”王の正殿”は、国王の居住する場所でもありました
ヘラクレスの間
王室礼拝堂の隣にあって、王室礼拝堂が造られるまでの礼拝堂でした
現在は、絵画”ファリサイ人シモン家の宴(ヴェロネーゼ)”を飾るための部屋となっています
豊饒の間
ヘラクレスの間の隣にあるのが、”豊饒の間”です
壁・天井一面の絵画が豪華です
ここはかつてルイ14世の宝物収集品が置かれていた場所だそうです
天使の天井画は、ルイ14世が得意としていた狩猟がテーマとなっています
ルイ16世の時代には、王侯貴族をもてなすためのビュッフェサロンとして使用されていました
ヴィーナスの間
ヴィーナスの間は、王の正殿の中でもバロック様式の色調が強い部屋です
壁にはルイ14世の銅像が飾られており、天井にはヴィーナスが描かれています
当時は、王侯貴族をもてなす会が行われる際に軽食をとる部屋として使われていました
ディアナの間
ディアナの間の装飾はすべて、月と狩の女神”ディアナ”にまつわるもので統一されています
ルイ14世が狩りの名手であったことから、ディアナの間が造られました
また当時、ディアナの間には大きなビリヤード台が置かれていました
ルイ14世はビリヤードの名手でもあり、ルイ14世が華麗なプレーを見せると、聴衆が皆拍手したことから”拍手の間”とも呼ばれています
マルスの間
マルスの間の壁には、ルイ15世の王妃”マリー・レクザンスカ”の肖像画が飾られており、
天井中央には、戦車に乗ったマルスの姿が描かれています
火星を意味するマルス、
同時にマルスは戦争の神を意味しており、元々は衛兵の控室でした
その後は、音楽や舞踏会などに使用されて、舞踏の間とも呼ばれています
ここでは、天才音楽家のモーツァルトも演奏したそうです
メルキュールの間
メルキュールの間は、ヴェルサイユ宮殿で最も豪華な部屋です
当時は近世の調度品が置かれていました
ルイ14世の孫アンジュ―公がスペイン王国即位を宣言した際に、寝室として3週間使用していました
アポロンの間
アポロンの間には玉座が置かれ、民衆が王に謁見する場所でした
壁にはルイ14世の肖像画が飾られています
戦争の間
王の正殿を抜けると、小さな部屋”戦争の間”があります
この部屋は、オランダ戦争でのルイ14世の勝利をテーマに造られました
暖炉の上にある大きなレリーフは、オランダ戦争の際のルイ14世の姿
そして、ベルサイユのばらに登場するオスカルのモデルとなる肖像が飾られています
鏡の間
戦争の間を抜けると、全長75m、幅10.5m、高さ12.3mの広い空間”鏡の間”に出ます
回廊の庭園側壁には、27枚の大窓
そして反対側壁には、578枚の鏡が壁一面を覆っています
また当時の家具類はすべて純銀製でした
回廊が西向きのため、明るくするために鏡を用いていました
そして当時金よりも貴重な鏡を用いることは、太陽王としてのルイ14世の権力の象徴でした
鏡の間の用途は、王が礼拝堂へ向かうための通路として、また外部から宮殿を訪問する人々の待ち合わせ場所でした
その他、マリー・アントワネットとルイ16世の婚礼舞踏会やヴェルサイユ条約の調印といった歴史的会談の舞台ともなりました
王の寝室
王の寝室は、ちょうど宮殿中央に位置しており、日の出に面する場所でした
王の寝台の上には、王の眠りを見守るフランスという王冠をかぶった女性の浮き絵が見られます
当時は王の朝の引見、夜の引見が行われました
またフランス革命時は、王の寝室のバルコニーからマリー・アントワネットとルイ16世が姿を見せた場所でもありました
王妃の居殿
王妃の居殿は、歴代王妃の寝室として使われた部屋でした
展示されているベッドカバーは、実際にマリー・アントワネットが使用していた当時のものだそうです
当時の王妃たちは、1日の大半をここで過ごしていました
王妃の居殿の内装は、王妃の好みによってその都度変えられていきました
王妃の居殿のベッドの左右には壁紙に隠れた隠し扉があり、フランス革命時、宮殿に侵入した民衆から逃げ出しすことができたそうです
フランス式庭園
ヴェルサイユ宮殿で建物と並んで素晴らしいのが、広大なフランス式庭園
造園家”アンドレ・ル・ノートル”によるフランス式庭園の最高傑作です
遠くから全景を見ると、きれいな左右対称の作りをしていることがわかります
ルイ14世は庭園を宮殿と同じくらい重要と考えていました
荒れ果てた不毛の地に大量の土を運び込んで、多くの人員を動員させ、40年の歳月をかけて完成させました
噴水庭園
ヴェルサイユ宮殿の庭園で最も有名なのが”噴水庭園”です
ルイ14世は、水の通っていなかったヴェルサイユ宮殿の地に、運河を造ることでセーヌ川から水を引きました
そして民衆やヴェルサイユ宮殿に移住させた貴族に、ラトナ噴水とアポロン噴水を代表する噴水庭園を見せることにより、王の絶対的権威を見せつけることに成功しました
グラン・トリアノン
グラン・トリアノンは、ヴェルサイユ宮殿から2Km離れたところにあり、庭園内を移動するプチトラン(ミニ列車)またはレンタサイクルに乗って向かいます
グラン・トリアノンはもともと、ルイ14世が愛人と過ごすために造らせた隠れ家でした
その後、現在の大理石で作られた館に改装されました
控えの間
グラン・トリアノン左から入ってまず見られるのが、”控えの間”です
立派な調度品が展示されています
現在展示されている調度品は、ナポレオン一世の妻”マリー・ルイーズ”と過ごすために改築した際に新調されたものです
版画の回廊
版画の回廊には文字通り、たくさんの版画が飾られています
また版画の回廊からは、マリー・ルイーズの寝室と壁一面に鏡が貼り巡らされた鏡の間も見ることができます
鏡の間は、ルイ14世時代には会議室、ナポレオン時代にはマリー・ルイーズの書斎、ルイ・フィリップ時代には閣議室として利用されていました
隣にはルイ14世の寝室があり、現在展示されているのはナポレオン時代に新調されたものです
礼拝堂の間
礼拝堂の間には、ルイ15世と王妃の肖像画が飾られています
北側の観音扉を開くと、その中に祭壇があったことから”礼拝堂の間”といわれています
ナポレオン時代には、王妃のサロンとして使用されていました
円形広間
ルイ14世時代には、玄関ホールとして使用されており、
ナポレオン時代には、守衛の間として使用されていました
皇帝家族の間
グラン・トリアノン建設当初、皇帝家族の間は劇場として使われていました
その後ナポレオン時代には、家族がくつろぐサロンとして使用されました
音楽の間
音楽の間は、ルイ14世時代には控えの間として、ルイ・フィリップ時代にはビリヤードの間として使用されていました
ホテルの回廊
ホテルの回廊は、ヴェルサイユの庭園とトリアノン宮殿を描いた風景画が所狭しと飾られています
プチ・トリアノン
プチ・トリアノンは、マリー・アントワネットが多くの時間を過ごした離宮として知られています
プチ・トリアノンの外装はシンプルですが、内装はロココ様式が用いられており、大変美しいです
階段を上がったところには、有名なマリー・アントワネットの肖像画(ルブラン)が飾られています
プチ・トリアノンは、マリー・アントワネットのお気に入りの人たちしか足を踏み入れることができず、夫のルイ16世もアントワネットの許可なく無断で立ち入ることはできませんでした
マリー・アントワネットにとってプチ・トリアノンで過ごす時間は、窮屈な宮殿の暮らしから唯一解放される場所でした
集いの間
集いの間では、マリー・アントワネットが信頼する知人や友人だけを招いて、ハープやピアノを演奏し談笑する場所で、
アントワネットが楽しい時間を過ごす場所でした
プチトリアノンの庭園
プチ・トリアノンの庭園は、田舎の里やのどかな風景を連想させる小さなイギリス庭園で、自然の景色を利用しています
マリー・アントワネットは、プチ・トリアノンの庭園で一人静かに田舎生活の雰囲気を楽しみ、安らぎを求めていました
いつ行くのが良い?
季節は初夏!
ベストな季節は、庭園の緑は豊かな初夏~夏にかけてです
但し真夏の8月はバカンス時期で混み合うのに加え猛暑のため、快適に過ごすには程遠いです
6月、7月、9月がベストです!
冬は、庭園に緑が少ないのと極寒のためベストな時期とは言えません
水曜日~土曜日に行く!
ヴェルサイユ宮殿の休館日は、美術館と同様に「月曜日」です
そのため、月曜日の前後にあたる「日曜日」と「火曜日」は滞在日数の少ない観光客でいっぱいになります
ベストな曜日は、水曜日~土曜日です!
午後からの入場も考慮
午前は、9時のオープンと同時に多くの観光客が押し寄せるため、入場には長蛇の列に並ぶ必要があります
時間に余裕がない場合などは、午後からの入場がおすすめです!
パリミュージアムパス 利用可能
ヴェルサイユ宮殿では、パリミュージアムパスが利用可能ですので、持っていればチケット購入の行列に並ばなくて済むので便利です
パリミュージアムパスは、パリとパリ近郊の主要観光施設に優先入場できるパスポートです
ヴェルサイユ宮殿は、宮殿/グラン・トリアノン/プチ・トリアノンの入場に利用できます
パリ滞在中、複数の美術館・観光施設に行く場合はパリミュージアムパスの利用がおすすめです!
パリミュージアムパス公式サイト(日本語) ↓
http://www.parismuseumpass-japon.com/list.html
チケットWeb事前購入もおすすめ
パリミュージアムパスを利用しない場合は、Web上公式サイトでチケットを事前購入することをおすすめします
ヴェルサイユ宮殿では、手荷物検査の行列とチケット購入の行列、2つの行列に並ぶ必要があり、疲れます
チケットを事前購入しておけばチケット購入の行列に並ぶ必要がないので、それだけ時間が節約でき負担が少なく済みます
ヴェルサイユ宮殿公式サイト(英語) ↓
http://en.chateauversailles.fr/plan-your-visit/tickets-and-prices
アクセス
ヴェルサイユ宮殿へのアクセスには、パリ市内から電車を利用します
パリ鉄道RER
パリ鉄道RERの「C線(Versailles Rive Gauche行)」に乗り、終点「Gare de Versailles Chateau Rive Gauche(ヴェルサイユ宮殿左岸駅)」で下車し徒歩10分です
運賃:3.5ユーロ
所要時間:40分(15分間隔)
SNCF国鉄
「L線(Versailles Rive droite行)」の乗って終点「Versailles - Rive Droite(ヴェルサイユ宮殿右岸駅)」で下車し徒歩20分です
運賃:3.5ユーロ(ゾーン4)
所要時間:30~40分(15分間隔)
情報
住所
Place d’Armes 78000 Versailles
開館時間
ヴェルサイユ宮殿 9:00~18:30(11月~3月 ~17:30まで)
グラン・トリアノン 12:00~18:30(11月~3月 ~17:30まで)
プチ・トリアノン 12:00~18:30(11月~3月 ~17:30まで)
庭園 8:00~20:30(11月~3月 ~18:00まで)
閉館日
毎週月曜日、1月1日、5月1日、5月15日、11月11日、12月25日
※庭園は毎日入場可能
入場料
パスポート(全施設) 1日券:20ユーロ、2日券:25ユーロ
※イベント開催時 1日券:27ユーロ、2日券:30ユーロ
https://jams-parisfrance.com/info/chateaudeversailles_event/
ベルサイユ宮殿 15ユーロ
グラン・トリアノン、プチ・トリアノン 10ユーロ
※18歳未満は無料
※宮殿は11月~3月の第1日曜日、庭園は4月~10日の平日、11月~3日全日が無料開放日