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ルーヴル美術館|有名作品20選とおすすめ鑑賞ルート・優先入場などを徹底解説!

皆さん、こんにちは

世界三大美術館の一つ、フランス・パリにある”ルーヴル美術館”

 

パリを訪れたら必ず鑑賞したい「モナ・リザ」や「サモトラケのニケ」、「ミロのヴィーナス」といった有名作品が展示されているフランスが誇る世界最大の美術館です

 

とにかく広いルーヴル美術館!

館内には38万点もの作品が所蔵されており、すべてを観尽くすには10年もの歳月を要するといわれています

 

今回は半日~一日でまわれる、これだけは見逃せない有名作品と広いルーヴル美術館を効率よく鑑賞できるルートをご紹介!

疲れ知らずの充実したルーヴル美術館鑑賞方法を余すことなくご紹介します!

 

Contents

 

歴史 ルーヴル美術館

1793年フランス革命後に所蔵品が一般公開されたルーヴル美術館

 

1980年代にフランス・ミッテラン大統領は、大ルーブル計画を推進

今ではルーブル美術館のシンボルともいえる中央ナポレオン広場にあるガラスと金属製のルーブル・ピラミッドが建築家イオ・ミン・ペイにより制作されました

ルーブル・ピラミッドを美術館の入り口とすることで、膨大な入場者へのスムーズな対応を実現しました

 

ルーヴル美術館は、一般公開されてから現在に至るまで収蔵品は35万点を備える世界最大の美術館となっています

 

アクセス

パリオペラ座・ガルニエ宮からは、メトロ「Opéra駅」からメトロ7号線(Mairie d'Ivry方面)に乗車し、2駅目「Palais Royal Musée du Louvre(パレロワイヤル・ルーヴル美術館駅」で下車

「Musée du Louvre(ルーヴル美術館)」の案内に従い、徒歩2分

Googleマップで見る

 

入場 ルーヴル美術館

ルーブル美術館の入場は、中央ナポレオン広場にある「ピラミッド入口」または「カルーゼル入口」から入ります

 

ピラミッド入口には多くの観光客が屋外で長い列を作りますので、真夏・真冬・悪天候時には注意が必要です

優先入場事前予約をしておくことで、優先列に並ぶことができ行列をスキップすることができます(事前予約方法は後述)

※ピラミッド入口 Googleマップで見る

 

カルーゼル入口は、ショッピングモール「Carrousel Du Louvre」やルーヴル美術館最寄り駅メトロ1号線/7号線「Palais Royal Musée du Louvre駅」から屋内で直通アクセスが可能です

カルーゼル入口は屋内のため天候を考慮する必要がなくピラミッド入口に比べて空いていますが、優先列はないため当日券購入の人たちと並びます

※カルーゼル入口(Carrousel Du Louvreより) Googleマップで見る

 

入り口では、金属探知機のチェックやカバンのセキュリティーチェックを受ける必要がありますので入り口前で並んでいる間に準備をしておきましょう

 

入場券売場はピラミッドに入り、エスカレーターを降りた地下空間ナポレオンホール(地下2階)にありますので、ここで入場券を購入しましょう

ここには各国語の案内パンフレットがありますので、鑑賞前に忘れずに受け取っておきましょう

オーディオガイドもここで借りることができます

 

クロークルームもここにありますので、リュックなどの重い荷物やコートといったかさばるものはクロークルームで預けておきましょう

 

優先入場 並ばずに入る方法は?

ルーヴル美術館は平日にもかかわらず多くの観光客が訪れるため、当日券購入が必要な場合1時間以上の待ち時間が必ずといっていいほど発生します

 

観光の疲労軽減や観光時間の確保のために、ルーヴル美術館では優先入場券を事前購入しておくことを強くおすすめします

では、

  • どのような優先入場があるのか?
  • 優先入場入口はどこか?

といった情報をここではご紹介します

 

ルーヴル美術館の優先入場には、

パリ・ミュージアム・パス(Paris Museum Pass)を購入

ルーヴル美術館公式サイトで、入場事前予約(日時指定)

指定時間前にピラミッド入口(マップ)の優先入場列で待機

大まかにこの流れをたどります

 

❶パリ・ミュージアム・パスの購入

パリ・ミュージアム・パスは、ルーヴル美術館のほかパリ市内・近郊の美術館・博物館といった観光スポットに無料で入場できるパスポート

パリ滞在中に、3~5の対象施設を訪問すれば元が取れるお得なパスポートです

パリ・ミュージアム・パス公式購入サイト

 

<パリ・ミュージアム・パス対象施設>(2019/10現在)

・ルーブル美術館(火)
・凱旋門
・ヴェルサイユ宮殿とトリアノン(月)
・オルセー美術館(月)
・パンテオン ・ヴァンセンヌ城
・オランジュリー美術館(火)
・コンシェルジュリー
・フランス国立考古学博物館(火)
・ポンピドゥー・センター/国立近代美術館(月)
・サント・シャペル教会
・シャーリ修道院
・贖罪教会 (4~9月: 日~月 / 10~3月: 日・月・水)
・ル・ブルジェ航空宇宙博物館(月)
・クリュニー国立中世美術館(火)
・パリ下水道博物館(木・金)
・シャンティイ城(火)
・ロダン美術館(月)
・シテ建築遺産博物館(火)
・フォンテーヌブロー宮殿(火)
・ギュスターヴ・モロー美術館(火)
・メゾン・ラフィット城(火)
・ウジェーヌ・ドラクロワ美術館(火)
・ポール・ロワイヤル博物館(火)
・ニシム・ド・カモンド美術館(月)
・ランブイエ城(火)
・ピカソ美術館(月)
・フランス軍事博物館/ナポレオンの墓
・エクアン城国立ルネサンス美術館(火)
・レリーフ地図の博物館(第1月曜)
・ムードンのロダン美術館(月~木)
・ケ・ブランリ美術館(月)
・レジスタンス解放博物館(第1月曜)
・サン=ドニ大聖堂(日)
・ギメ東洋美術館(火)
・国立移民史博物館(日・月)
・サヴォア邸(月)
・アラブ世界研究所(月)
・セーブル陶磁器博物館(火)
・ユダヤ歴史美術館(月)
・科学技術博物館「発見の殿堂」(月)
・コンピエーニュ城美術館
・シテ科学産業博物館(月)
・モーリス・ドニ美術館(月・火)
・パリ装飾美術館(月)
・パリ工芸博物館(月)
・ピエールフォン城
・パリ服飾美術館(月)
・シネマテーク・フランセーズ(月)
・マルメゾン城(火)
・音楽博物館(月)
・シャン・シュル・マルヌ城(火)
・広告博物館(月)
※()内は定休日

最新情報はこちら(パリ・ミュージアム・パス公式サイト)

 

❷ルーヴル美術館 入場事前予約

そしてルーヴル美術館へ優先入場するためには、ルーヴル美術館公式サイトで入場事前予約を行います

 

パリ・ミュージアム・パスの購入・受取方法とルーヴル美術館の入場事前予約方法はこちらのページでご紹介しております ↓(近日公開)

パリ観光の必需品"パリ・ミュージアム・パス"|特長・メリット・購入方法を徹底解説!

今回は、パリ観光の必需品”パリ・ミュージアム・パス”について徹底的に解説していきます。どの美術館・観光スポットがミュージアムパスの対象施設なのか、本当に元は取れるのかどうか、購入方法や使い方といった点が気になってきますので、それらの点に注目してパリミュージアムパスを紹介していきます。

続きを見る

 

鑑賞当日は、入場予約指定時間前にピラミッド入口(マップ)の優先入場レーンで入場を待ちます

 

展示ゾーン

ルーヴル美術館は、大きく3つの展示ゾーンに分かれています

  • 南側 ドゥノン翼(DENON)
  • 東側 シュリー翼(SULLY)
  • 北側 リシュリュー翼(RICHELIEU)

 

鑑賞ルート概観

とにかく広いルーブル美術館では、計画的に鑑賞する必要があります

 

今回は大きく

シュリー翼 → ドゥノン翼 → リシュリュー翼

の順に鑑賞していきます

 

まずはシュリー翼(東側):

古代文明の傑作を味わうことができるゾーンであり、エジプトの大スフィンクスやミロのヴィーナスといった有名作品を鑑賞していきます

 

次にドゥノン翼(南側):

ルーヴル美術館が自慢するコレクションが集まっており、「民衆を導く自由の女神」や「モナ・リザ」といった美術館を代表する作品を鑑賞します

 

最後にリシュリュー翼(北側):

ルーヴル美術館鑑の秘宝ともいえる作品を堪能します
古代メソポタミアの「ハンムラビ法典」や北方絵画の巨匠”フェルメール”の作品を鑑賞していきます

 

城壁

シュリー翼入り口を進むと、城壁が見えてきます

 

元もと要塞であったルーヴル美術館

12世紀にパリを防御するために造られたお城でした

 

その後防護拠点としての重要性を失った後は、歴代フランス王室によって宮殿として利用されていました

 

1980年代ミッテラン政権・ルーヴル大改造の際、地下ホール建設中に発見

800年近く前の城壁が、今なおルーヴル美術館内に保存されています

 

タニスの大スフィンクス

シュリー翼入り口からまっすぐ進んだ突き当りを右へしばらく歩くと、正面にスフィンクスが顔を見せます

 

紀元前2600年ごろに作られたタニスの大スフィンクス

エジプトの都市「タニス」で発見されました

 

横1.8m、縦4.8mの大スフィンクスは、花崗岩でできています

見どころは4600年前に作られた洗練された彫刻技術

 

ライオンの胴体に人間の顔が特徴のスフィンクス

ライオンの体は、太陽神ラーの象徴で権威を示すためのものでした

エジプトの王様は、頭に王の象徴であるネメス頭巾をかぶっています

 

スフィンクスは王の権力と力の象徴であり、神殿や墓の守護神として各地に作られていました

エジプト文明の象徴の一つとなっています

※シュリー翼地上階 展示室338

 

アメンホテプ4世

スフィンクス突き当たりから左(東側)の階段へ

さらにシュリ―翼突き当りまで歩き、左(北側)へ進むとあります

 

アメンホテプ4世・アクエンアテンの像は、紀元前1350年ごろにエジプトのルクソールで制作されたと考えられています

この像は、カナルックにあるアメン神殿の東に位置する建造物から出土した柱の断片です

 

像の様式からアメンホテプ4世の顔を表したものと考えられています

像はオシリス神の姿勢を保ち、足をそろえて立ちながら胸部で腕を交差させています

 

細長い顔が胸まで届く長いあごひげによってさらに強調されています

※シュリー翼1階 展示室638

 

カバの置物

エジプトの王様のお守りとして3500年前に作られたカバの置物

さらに進んだ展示室636にあります

 

青はナイル川の象徴で生命の色とされており、エジプシャンブルーともよばれています

※シュリー翼1階 展示室636

 

書記座像

墓の副葬品として作られた書記座像

さらに進んだ展示室635にあります

 

書記は古代エジプトでは特別な仕事で、王族がその役割を担っていました

4500年前に作られた書記座像は、墓の副葬品として作られました

 

色は当時のままととても貴重です

広げているのはパピルスの巻物で、当時は水辺に生える葦でできた筆を持っていました

台にして書いているのは腰巻で、ぴんと張って机代わりにしていました

 

注目は目です

真ん中は水晶がはめ込まれています

 

白目はマグネタイトという天然石を使い、筋が入っているからとてもリアルにみえます

写実性を追求した4500年前の最先端技術を見ることができます

 

※シュリー翼1階 展示室635

 

ルイ14世 イヤサント・リゴー

さらに先へと進み(北へ)階段を上がり2階へ、ルイ14世のある展示室916へ行きます

 

当初はリゴーの孫にあたりスペイン国王となったマドリードのフェリペ5世に送る予定だった、イヤサント・リゴーによって描かれたルイ14世の肖像画

しかしルイ14世はこの作品をとても気に入ってしまい、ヴェルサイユ宮殿のアポロの間に飾ることとなりました

 

当時63歳のルイ14世は青の衣装を身にまとい王剣を脇に携え、王の正当性を示しています

バレエに魅せられていたルイ14世は自らもバレエの舞台で踊り、脚線美を維持するために高いヒールを履くことを好んでいました

 

※シュリー翼2階 展示室916

 

ミロのヴィーナス

古代ギリシャ彫刻の傑作の「ミロのヴィーナス」

 

タニスの大スフィンクスまで戻り、反対側の階段を上った古代ギリシャ美術のエリアにあります

 

正式にはアフロディーテ、古代ローマの女神・愛と美をつかさどる女神のことを言い、そのため美しく官能的に作られています

顔つきは端正でとてもきれいです

 

注目は体のひねり

上半身と下半身がらせんを描いており、見る物に優美な印象を与えます

 

現存する数少ない永遠の美を追求したヘレニズム期の傑作です

 

ミロのヴィーナスは、1820年にエーゲ海にあるミロス島で発見されました

競技場を見守る彫像の一体と考えられています

当時の競技は、ただのスポーツではなく神にささげる神事でした

 

現在は紛失してしまいましたが、ミロのヴィーナスの置かれた台座に書かれた記述により、紀元前130年ごろに活躍していたアンティオキアのアレクサンドロスによる作品とされています

 

どうして古代ギリシャ彫刻作品は、裸の像が多いのかと言えば、

神様は人間とは違い究極の肉体を持っていると考えられており、当時の彫刻家が良い作品を作ろうと競い合った結果、裸体像に磨きがかかりました

 

※シュリー翼地上階 展示室346

 

ハドリアヌス帝

漫画や映画でおなじみのテルマエ・ロマエに登場するハドリアヌス帝の像

 

ひげを蓄えた顔が印象的で、戦闘中に負った傷を隠すためともギリシャの影響を強く受けたとも言われており、以後のローマ皇帝もひげを生やすようになりました

 

注目はハドリアヌス帝の目

以前の肖像は瞳孔を色彩で描いていたのに対して、ルーブル美術館のハドリアヌス帝は目の瞳孔が直接彫られて表現されているのが特徴的です

※ドゥノン翼地上階

 

スルタンの銘のあるランプ

ドゥノン翼・ヴィスコンティの中庭だったところには、2012年からイスラム美術作品エリアが完成

アラビアンナイトの世界の美術品を鑑賞することができます

 

700年ほど前に作られたガラスのランプは、エナメルと金で彩られています

もとは鎖で天井から吊り下げられていました

 

ランプの胴の部分にはイスラムの王様「スルタン」の名前が書かれています

イスラム教ではランプの光は神様の象徴とされ、重要な宗教道具です

 

※ドゥノン翼-1階

 

盥(たらい)

400年以上フランス王家が秘宝として受け継いでいた盥(たらい)

 

700年以上前に作られた真鍮製の盥

金と銀の精密な象嵌で飾られています

 

側面には戦う人々走り回る動物たち、底にも装飾 魚・カエル・カニ・水鳥などが細かく描かれています

宗教にはかかわらない日常生活では、人物や動物を描かれた美術品が作られていました

 

イスラム社会の器は、持ち込まれた先のヨーロッパで宝物として重宝されます

フランス王家では特別な使い方がなされ、キリスト教の儀式である洗礼のための水をためる容器として長いこと使用されました

 

たらいの美しさは文化と文化の壁を越えて人々を魅了するものなんですね

※ドゥノン翼-1階

 

サモトラケのニケ

ミロのヴィーナスまで戻り突き当りを右へ、ルーブルで最も美しい階段「ダリュの階段」の上にあります

 

サモトラケのニケは2200年ほど前に作られた作品

1863年、エーゲ海のサモトラケ島で、フランス領事シャルル・シャン・ポワゾンによって発見されました

 

見どころは、

  • 体に張り付く薄い布の表現
  • ヘレニズム時代に特徴的な風を受けて立つ派手なポーズ

 

ギリシャ文明が栄えていた当時のサモトラケ島は、聖地として多くの偉大な紙ざまに捧げられた神殿が建っており、神殿では海難事故から船員の安全と闘いの祈願がされていました

なぜ船の上に乗っているのは、海での戦いに勝利したことを記念して造られたことから

 

ギリシャ語で勝利のことを”ニケ”というのでサモトラケのニケと呼ばれています

※ドゥノン翼1階 展示室703

 

岩窟の聖母 レオナルド・ダ・ヴィンチ

サモトラケのニケの階段を上がり右(南)へ、さらに突き当りを右(西)へ進むと460mも続く長い回廊「グランドギャラリー」があります

 

ナポレオンはルーブル美術館で結婚式を挙げ、このグランドギャラリーを花嫁と行進しました

左側にはレオナルド・ダ・ヴィンチの作品3作並んで飾られています

 

500年前、レオナルド・ダ・ヴィンチ34歳のころの作品

残虐な王から逃れ岩窟に身をひそめる聖母子の一行を神秘的なタッチで描いています

 

中央は聖母マリア、右手には大天使ガブリエルと幼子イエス、左手は洗礼者ヨハネの幼い時

この作品にはある構図のテクニックが用いられています

 

聖母マリアを頂点とした三角形のピラミッド

安定感が生まれる人物配置がなされており、レオナルド・ダ・ヴィンチ得意のテクニックです

 

背景の岩山の描き方にも注目すると、奥行きを感じます

自然の奥行きを感じさせるため、遠くほど白っぽく描く空気遠近法という手法を用いています

※ドゥノン翼1階 フランソワ1世コレクション グランドギャラリー

 

モナ・リザ レオナルド・ダ・ヴィンチ

グランドギャラリーで狩りの女神と鹿のブロンズ像が見えたら、右手の展示室へ

正面の壁には、ルーヴル美術館が誇る傑作「モナ・リザ」が展示されています

 

バルコニーで肘掛け椅子に座る婦人を描いた絵

 

印象的なのは、ほほえみ

レオナルド・ダ・ヴィンチは自然を追求し、敢えて顔に輪郭線を書いていません

 

境界部分をぼかす「スフマート」技法、イタリア語で煙を意味します

筆ではなく、指の腹で描いているのが特徴です

 

モナ・リザの招待は誰か?という議論が長年なされてきました

 

2008年ドイツの図書館に所蔵されている16世紀の書物のある書き込みが発見されます

  • 「レオナルド・ダ・ヴィンチは今3枚の絵を描いており、そのうちの一つはジョコンド夫人のリザ」
  • 「1503年10月」

この記述から「モナ・リザ」のモデルは、フィレンツェの大富豪「リザ・ゲラルディーニ」の妻と考えられています

 

レオナルド・ダ・ヴィンチの究極のほほえみを描きたい熱意により、亡くなるまでの16年間手を加え続け未完の作となっています

 

モナ・リザが有名となったのが1911年に起きた盗難事件でした

その後も盗難事件や損壊事件が後を絶たなかったため、現在では防弾ガラスのケースに収められて展示されています

 

現在ではルーブル美術館で最も集客力のある作品となっており、毎年600万人の人々がモナ・リザを見るためにルーブル美術館を訪れています

※ドゥノン翼1階 展示室711

 

カナの婚礼 パオロ・ヴェロネーゼ

モナ・リザが見つめる側、つまりモナ・リザと対面する形で飾られているのが、縦6.8m・幅9.9mの巨大なパオロ・ヴェロネーゼ作”カナの婚礼”

 

元もとはベネチアのベネディクト会修道院の食堂を飾っていました

この作品は、カナの婚礼においてイエス・キリストが最初に見せた奇跡の場面を描いています

 

ヴェロネーゼは、カナの婚礼の奇跡の場面を16世紀当時の栄えていたヴェネツィアに置き換えて、その華やかさを人々の服装や豪華な建物、そして宝石や銀製の皿を描くことで表現しています

 

右下部分に黄色い服を着た男が、奇跡によってワインに変わった液体を大きな壺から注いでおり、背後で煮たりの男たちがワインとなった液体を確認しているようすが見られます

一方画面上部に行くに従い人物が小さく・薄く描かれることにより、見る者を絵の場面へ引き込む遠近法の効果が用いられています

※ドゥノン翼1階 展示室711

 

美しき女庭師 ラファエロ・サンティ

モナ・リザの展示室から回廊に出て右手すぐのグランドギャラリーに展示されています

 

ラファエロ25歳のころの作品

聖母マリアと幼子イエス、そして洗礼者ヨハネ

イエスの手には将来の受難が予言されている聖書

 

注目ポイントは3人の視線です

洗礼者ヨハネはイエスを見つめて、イエスはマリアを見つめ、またマリアもイエスを見つめる

3人の強い結びつきを見る物に見せつけています

 

ラファエロの絵画の特徴は、調和に満ちた美しさです

  • レオナルド・ダ・ヴィンチのピラミッドの構図
  • ミケランジェロの肉体美の描き方

ラファエロは二大巨匠から得たテクニックを自らの絵画へ活かす達人でした

※ドゥノン翼1階 フランソワ1世コレクション グランドギャラリー

 

ナポレオンの戴冠式 ジャック・ルイ・ダヴィッド

モナ・リザ展示室に戻りモナ・リザを抜けた赤い展示室からフランス絵画のコーナー、そこから右手(東)に向かい一番大きな絵がナポレオンの戴冠式です

 

縦6m、横10mもの大きな絵

パリのノートルダム大聖堂で行われた戴冠式の様子

 

中央に立っているのがナポレオン

ナポレオンの前で跪く女性は、妃のジョセフィーヌ

 

総勢150名からなる参列者が視線を中心人物であるナポレオンに向けて、見る者の意識をこの歴史的瞬間に集中させるような効果をもたらしています

描いたジャック・ルイ・ダヴィッドはナポレオンの大ファンであり後にナポレオン一世の首席画家となります

 

後にアメリカの実業家から複製を描くように依頼されたダヴィッドは、記憶を頼りに”ナポレオンの戴冠式”2作目を制作し、現在はヴェルサイユ宮殿に飾られています

※ドゥノン翼1階 展示室702

 

グランド・オダリスク アングル

ダヴィッドの弟子アングルが描いた作品

 

体の流れるようなラインと肌の質感の表現が見事

東洋風の装飾も見どころ

 

ラファエロの絵画のとりこになったアングル

ラファエロの丸みの表現を自分の絵を取り入れる

 

当時は胴が長すぎるとか脊椎が3本多いとか批判を受けていました

敢えて長くしたのは、女性の丸みを帯びた姿の美しさを追求した結果でした

※ドゥノン翼1階 展示室702

 

民衆を導く自由の女神 ウジェーヌ・ドラクロワ

フランス・ロマン派の巨匠1803年7月に起こった7月革命がモチーフとなったこの作品

ナポレオンの戴冠式がある展示室の反対側にある展示室700に展示されています

 

人々を弾圧していた国王を倒すため、民衆が立ち上がった様子が鮮明に描かれています

フランスの共和制及び民主政治を表す代表作として政治的・文化的にも大きな影響を与える作品と言えます

 

画面中央は自由の女神「マリアンヌ」

右手に銃を持ち、左手に三色旗を掲げています

 

労働者階級から貴族階級、大人から子供まで様々な人たちの様子が描かれている

 

ドラクロワは絵の中に、あるテーマを潜ませています

それは、自由の象徴の三色旗の色

 

この赤・青・白の3色が絵のほかの場所にも描かれています

女神のひざ元の人の服には、上着の青と帯の赤、飛び出した下着の白

遠くにはノートルダム大聖堂が描かれ、塔の上にも三色旗が掲げられ、7月革命の情熱的な絵の代表的な作品です

 

1999年に日本・東京国立博物館にて1か月間展示されました

この作品は縦2.59m・横3.25mと大変大きいためジャンボジェット(ボーイング747型機)でも運ぶことができず、エアバス・ベルーガという大型貨物機で輸送されました

 

※ドゥノン翼1階 展示室700

 

メデューズ号の筏 ジェリコー

ロマン主義を代表とする画家・ジェリコーの作品

民衆を導く自由の女神と同じ展示室にあります

 

縦5m・幅7mの大きな絵画”メデューズ号の筏”

実際にあった事件を主題とし人物を等身大にリアルに描くことで新古典主義から脱却した作品として知られています

 

メデューズ号の筏は、1816年7月5日にモーリタニア沖合で座礁したメデューズ号の難波事件が題材とされており、150名以上の乗組員を乗せた軍艦が座礁した後、彼らが急ピッチで作り上げた筏で13日間に渡る漂流生活の結果、生存者は10名にすぎなかった事件を描いた作品

この事件を知ったジェリコーは事件に関する資料を集め丹念に調べ上げることにより、救出の希望と遭難の苦しみを事細かに描きあげています

 

作品の中央部に顔を筏に向けて後頭部がこちらに見え、延ばした左手が筏のふちを掴んでいる男性は、ジェリコーの友人であるドラクロワをモデルにしています

ジェリコーはこの作品を描くにあたって、実際の遺体や体の一部をスケッチし友人たちには実際にポーズをとってもらうことにより、現実的で迫力のある効果を作品にもたらしています

 

※ドゥノン翼1階 展示室700

 

奴隷 ミケランジェロ・ブオナローティ

ルーヴル美術館の中でも美しい階段「モリアンの階段」を下りたドゥノン翼地上階、16~19世紀の彫刻作品が並ぶ展示室で初めに正面に見える2体の彫刻

 

体のラインはしなやかで筋肉はムキムキ、見る者に肉体の力強さを見せつけます

  • 一方は激しく抵抗する奴隷
  • もう一方は全く異なる姿、恍惚の表情

体のポーズも独特で彫刻に存在感を与えています

 

ミケランジェロは新プラトン主義の考えにヒントを得て、この作品を制作

  • 人間の魂は肉体という牢獄に閉じ込められている
  • 解放されるのは死によってのみ

一方の奴隷がまどろんでいるのは、死によって肉体という牢獄から解放される喜びを味わっているからとされています

 

※ドゥノン翼地上階 展示室403

 

人面有翼牡牛像 ラマッス

2700年前に作られたアッシリア帝国の彫刻作品・人面有翼牡牛像「ラマッス」

 

ナポレオンホールに戻り、リシュリュー翼へ

地下から右手(東)エスカレーターで上がった1階部分の古代メソポタミアの展示室4にあります

 

紀元前2000年ごろのこの作品は、アッシリア帝国時代の門の守護神

体は翼の生えた牡牛です

 

像の足元をよく見ると、正面から見ると足はそろっています

一方横から見ると歩いているように足が交差しています

 

ラマッスはメソポタミアの神様の一つで頭にある角はメソポタミアの神様を表しています

※リシュリュー翼地上階

 

ハンムラビ法典

ラマッスから左側の部屋にあるハンムラビ法典碑

 

3800年前、メソポタミアの王「ハンムラビ」が作った玄武岩の法典碑は、高さ2mを超す大きなもの

表面には楔形文字と呼ばれる太古の文字が書かれており、人々の様々な訴えをどのようにさばいたかを記しています

 

上には二人の人物

  • 右側がメソポタミアの神様 太陽神シャマシュ
  • 左側には神様から指輪と杖を受け取っているのがハンムラビ王

ハンムラビはバビロンを拠点にメソポタミアに統一国家を作ります

一方で国内をまとめるための内政にも力を入れた証がこのハンムラビ法典

 

有名な「目には目を」はどこに彫られているかというと、

後ろ側のハンムラビ法典196条

やられたらやり返すというような、争い合戦を鎮めるため社会正義としての役割がありました

実際に確認してみましょう

 

※リシュリュー翼地上階 展示室227

 

宰相ロランの聖母 ヤン・ファイ・エイク

エスカレータを使って地上階から2階まで登った北方絵画エリアにあります

北方とはアルプスの北、つまりオランダ・ベルギー・ルクセンブルク・ドイツを意味しています

 

600年前宰相ロランが故郷の教会に奉納するために、ベルギーの巨匠「ヤン・ファン・エイク」に依頼した作品

  • 左側:ブルゴーニュ公国の宰相 ロラン
  • 右側:大理石の玉座に座る聖母マリアと幼子イエス

イエスは天地創造の力を象徴する地球儀を持っています

 

見どころは、その超人的な写実の技法

聖母マリアのマントには宝石や刺しゅうが描かれ、輝く様子は本物のよう

細部の透明感・輝きを引き出すための油絵の技術で、エイクは油絵を確立した画家といわれています

 

背景にも注目

中央の背景に小さく二人の人間がおり、赤い頭巾をかぶったのはエイク自身とされています

 

橋には1センチにも満たない民衆の姿や船が見られ、細かい描写も忠実に描かれています

※リシュリュー翼2階 展示室819

 

レースを編む女 フェルメール

柔らかな光を浴びながら、レースを編むことに没頭する女性

日常の一コマの温かみがある、ホッとする優しい絵

 

秘密は、シンプルな色づかいと画面構成

色使いは、フェルメールの好んだ赤・青・黄の三原色

白い壁を背負うシンプルな構成で光の広がりを演出しています

 

画家がある人に注目させようと中央に見える糸はぴんと張っています

対して周りはボケています

 

糸に焦点を合わそうとしているこの作品は、近代の印象派の手法に近いものがあります

カメラのような視線は、画家の視線そのものです

※リシュリュー翼2階 展示室837

 

天文学者 フェルメール

レースを編む女のすぐ隣にある天文学者

 

光降り注ぐ部屋で仕事をする天文学者の姿を描いた絵

机には夜空の姿を映した天球儀

 

17世紀の大航海時代、オランダは海外貿易で巨万の富を得ていました

その時代、星の動きを観測する天文学者は当時滋養が高まっていた仕事でした

 

フェルメールが描く日常には当時のファッションにもぜひ注目したい点があります

 

羽織っている衣装は着物です

日本から輸入されたりしたものとされています

 

350年前、日本の江戸時代は鎖国政策を行い、唯一の貿易国はオランダでした

江戸時代の着物もフェルメールのふるさと・デルフトにも流行がやってきていました

 

※リシュリュー翼2階 展示室837

 

アンリ2世の階段

さらに通路を進むと(南へ)、450年前に造られたルーブルで一番古い階段「アンリ2世の階段」があります

王様の間と祝宴の間を行き来するための階段として使われていました

 

狩りが好きだったアンリ2世

天井には狩りの女神ディアヌがいて、頭には月のマークがあります

アンリ2世はディアヌがとても好きだったので、ほかにも月をデザインしたものが見られます

 

※リシュリュー翼1~2階

 

ブラックの天井画 鳥

階段を下りて1階へ右へさらに奥に進むと(南)、当時の控えの間「アンリ2世の間」の天井に描かれています

1953年、フランス画家「ジョルジュ・ブラック」が描いた作品です

 

ブラックはピカソとともにキュビズムを確立した人

周りの木製彫刻とも調和しています

 

人間の横顔をした月や絵にも月が描かれており、アンリ2世にインスピレーションを受けた作品とされています

 

※リシュリュー翼1階 アンリの間

 

カフェ・お土産

カフェ アンジェリーナ

ルーヴル美術館には、カフェがあります

そのうちの一つ、リシュリュー翼展示室入ってすぐにあるカフェ「アンジェリーナ」

 

ナポレオン三世時代の大蔵大臣の部屋として使われていたカフェでは、コーヒ・軽食を楽しむことができます

 

おすすめは、スイーツのモンブラン

1903年創業当時のレシピで作られています

中はメレンゲと生クリームがたっぷり、しっとりとしたマロンクリームで覆われています

 

もう一つはスイーツのフロール

木いちごを使ったケーキです

赤いの花の姿をイメージし、見た目がとても優雅

 

カフェの奥にはバルコニー席もありナポレオン広場とピラミッドを見られ、奥にはエッフェル塔も見ることができます

ルーヴル美術館鑑賞に疲れたら、必ず立ち寄りたいカフェです

 

お土産 ミュージアムショップ

地下のエントランスホール「ナポレオンホール」のすぐそばに、ミュージアムショップ

ここではルーヴル美術館限定品もたくさん販売されています

 

モナ・リザ関連グッズや彫刻作品の複製が人気で、小さいものもルーブル美術館公認ですので安心して購入できます

古代エジプトのお守り「青いカバの置物」も人気です

 

情報 ルーヴル美術館

住所

Musee du Louvre 75001 Paris

TEL

(01)40205317

駐車場

有(有料)

営業時間

9~18時(水・金曜・第1土曜:~21:45)

定休日

火曜

休業日

1/1、5/1、12/25

年齢制限

なし

公式サイト

http://www.louvre.fr/

所要時間目安

3時間以上

入場料

有料
大人:15ユーロ、 常設展の入場料(入場券は当日限り有効)、子供は18歳未満無料、7月14日は無料

クレジットカード

Visa,Master,American Express

入場時の注意事項

服装はカジュアル。カメラ持込可。ビデオ持込可。オーディオガイドあり(英語、日本語、フランス、スペイン、ドイツ、イタリア、韓国語、アラビア語)

事前予約

個人:望ましい
団体:望ましい

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