皆さん、こんにちは
イタリアを代表する絵画が所蔵されているミラノの”ブレラ美術館”
絵画を中心とした美術館であるため、”ブレラ絵画館(Pinacoteca di Brera)”とも呼ばれています
ブレラ美術館の由来
ブレラ美術館は元々、17世紀イエズス会の施設でした
18世紀になり、ミラノを中心としたイタリア北部ロンバルディアを統治としていたオーストリア・ハプスブルグ家のマリア・テレジアが、イエズス会を解散させました
それを機に、イエズス会の施設はマリア・テレジアにより美術アカデミーとして生まれ変わります
19世紀初め、ナポレオンにより美術館として整備され、彼の誕生日を祝して一般にも公開されるようになりました
19世紀末には、国立美術館として開館され現在に至ります
第1日曜日は入館料がタダ
ブレラ美術館は、定期的に入館料が無料、もしくは割引の日があります
無料入館日:第1日曜日、4月25日
入館料3ユーロ:毎週木曜日の18時以降
もし、ミラノ滞在期間に割引の日が重なるようでしたら、ぜひ足を運んでみてください!
絵画作品
展示されている絵画作品は、15~18世紀のヴェネツィア派とロンバルディア派といった北イタリアの絵画芸術がメインとなる世界でも有数の美術館です
中でも見逃せない有名絵画をご紹介していきます
死せるキリスト アンドレア・マンテーニャ 1480年
キリストの亡骸を見て悲しむ聖母マリアと聖ヨハネの表情が印象的です
"死せるキリスト"はマンテーニャの代表作の一つ
マンテーニャが自分の死を予期して描いたとされており、暗い部屋に浮かび上がるイエスは独特な印象があります
キリストの遺体を足元からの視点で短縮法を駆使した斬新な構図がとられているのが特徴です
短縮法とは
短縮法は遠近法の一種ですが、よく見られる風景画に用いられる手法ではなく、人体に用いられた手法のことを言います
アレキサンドリアで説教する聖マルコ ベッリーニ兄弟 1504-1507
ヴェネツィアの守護聖人"聖マルコ"、それを祀るヴェネツィアのサン・マルコ寺院が有名ですが、
ヴェネツィアに住んでいたベッリーニが、ヴェネツィア派の重要視する主題"聖マルコ"を題材とした作品です
舞台はエジプトのアレキサンドリアですが、ベッリーニがモデルとしたのはヴェネツィアにあるサン・マルコ寺院といわれています
遠近法の活用
アレキサンドリアで説教する聖マルコの特徴は、空間を広く見せる遠近法を最大限に駆使している点です
日の当たる場所と影がかかる場所の対比が印象的な作品です
ピエタ ジョバンニ・ベッリーニ 1460年ごろ
ヴェネツィア派ジョバンニ・ベッリーニ初期の傑作
ジョバンニ・ベッリーニは初期ルネサンスの彫刻家ドナテッロや画家マンテーニャの影響を強く受けていました
ドナテッロやマンテーニャからの影響は、ピエタの聖母マリアの表情から読み取ることができます
ベッリーニのピエタでは、キリスト十二使徒の一人ヨハネもキリストを支えているのが特徴的です
マリアの結婚 ラファエッロ 1504年
ラファエッロらしい人間味のある女性の描写が印象的な作品
聖母マリア結婚の儀式の一場面、ヨセフがマリアの指に指輪をはめるシーン
聖母マリアの夫となるヨセフが手にする杖の先にはユリの花が咲いており、彼の幸運を表現しています
マリアの左には独身女性、ヨセフの右には独身男性が複数人描かれています
そして後ろには、エルサレムの神殿が描写され、遠近法による立体的空間の構成も大きな特徴です
ろうそくの聖母子 カルロ・クリヴェッリ 1492年
カルロ・クリヴェッリが晩年に描いた傑作
この作品は、幼子イエスが手にするろうそく、または絵の下に描写されている1本のろうそくどちらかが由来しています
クリヴェッリに特徴的な果物や植物の描写が鮮やかです
また聖母マリアの衣装刺繍もとても美しく描かれています
この作品のマリアの表情は少しこわばったような印象で、冠や胸元には多くの宝石が描かれていることから、聖母マリアの神聖さを強調した作品といえます
聖母戴冠と諸聖者 ファブリアーノ 1400年ごろ
昔から繊維産業で有名なファブリアーノ出身のファブリアーノの作品
ファブリアーノのヴァルレ・ロミータ修道院のために制作された作品
サン・マルコの船だまりから波止場の眺望 カナレット
風景画や都市景観画を得意とした画家カナレットの代表的作品
淡い雰囲気の風景描写が印象的です
彼の得意とする光と空気の描写です
現在も実在するサンマルコの鐘楼やドゥカーレ宮殿、そしてゴンドラが描かれ、当時のヴェネツィアの様子がよくわかる一枚となっています
情報
住所
Via Brera 28, Milan
電話番号
(02)72263264
アクセス
地下鉄2号線「Lanza」駅から徒歩10分
駐車場
なし
営業時間
8時30分~19時15分
チケット販売は18時40分まで
定休日
月曜
休業日
1/1、5/1、12/25
公式サイト
入場料
有料
大人:10.00ユーロ(特別展開催時は割増)
無料入館日:第1日曜日、4月25日
入館料3ユーロ:毎週木曜日の18時以降
入場時の注意事項
服装はカジュアルでOK
オーディオガイド(英語)があります(5ユーロ)
※日本語のオーディオガイドはなくなりました